平成7年に外来処置用としては東北地方で最初(?)に導入し、この写真の装置は4台目です。
中耳炎の治療(鼓膜切開など)やアレルギー性鼻炎(中等症以上)、睡眠時呼吸障害(いびき症)、顔面頚部腫瘍(ホクロ)などの治療に大変有用です。
当院では乳幼児から高齢者まで全ての年齢層の聴覚障害に対して、その診断と治療(リハビリ)に必要なほとんど全ての機器を揃えています。
聴覚検査室(防音室・無響室)は2つあります。一つは一般的な聴覚検査室(純音聴力検査、語音聴力検査、耳鳴検査などを行う室)で、今ひとつは、[自由]音場検査室(乳幼児聴力検査、聴性脳幹反応(ABR)検査、補聴器適合検査などを行う室)です。
二重扉の防音室の中にもうひとつ車椅子も入ることが出来る聴力検査室があります。
この部屋では、純音聴力検査、語音聴力検査、耳鳴検査などを行います。
1978年、D.Kemp(ロンドン大学)が、耳の中に音刺激を加えると、その刺激音とは異なる音響反応が耳の中で記録できることを発見しました。
音刺激によって電気反応が記録できることは良く知られ、臨床検査として臨床応用されていたのですが、この音響反応の発見は画期的なことでした。
その後、この音響反応(耳音響放射という)が蝸牛(内耳の聴覚機能を司るところ)の有毛細胞(聞こえの感覚細胞)の機能を反映していることがわかり、臨床検査として臨床応用されるようになりました。
1988年、ロンドンに留学した際D.Kemp助教授(その後教授)から、この耳音響放射を直接教えていただきました。その後、彼が初めて作ったこの測定装置を日本で初めて岩手医大に導入し、その臨床応用について多くの研究を行いました。
歪成分耳音響放射(DPOAE)検査は最も有用な内耳(蝸牛)の聴性音響反応検査で、開業当初から導入しています。新生児・乳幼児の聴覚スクリーニング、感音難聴の大部分を占める内耳性難聴の診断、心因性難聴の診断に大変有用です。
二重扉の防音室で、この部屋には聴力検査装置、遊戯聴力検査装置、補聴器適合検査装置などが設置されています。
乳幼児や補聴器装用者・人口内耳装着者の聴力検査、聴性脳幹反応(ABR)検査、補聴器適合検査などを行います。
この検査は、音刺激によって誘発される中枢性聴覚伝導路(脳内)の電気反応を測定する代表的な他覚的聴力検査で、乳幼児の聴力検査や機能性難聴(心因性難聴・詐聴)、聴神経腫瘍の診断に有用です。
選択した補聴器の補聴効果を調べる検査装置です。
これを用いて、補聴器の相談だけではなく、最適な補聴器の選択・試聴・購入・装用指導・効果測定、更にはアフタケアまで行っています。
2010年から言語聴覚士の片桐貞子先生(秋田市の難聴児通園施設オリブ園の前園長)が毎週木曜日に、大内正子先生が隔週の火曜日にきて、ことばの発達障害の診断(早期発見)・治療と療育支援、両側中等度以上の難聴で補聴器や人工内耳を使用している子ども達の診察・指導を行っています。
2020年7月からは高橋円香STが当院の常勤職員となりました。
ここで平衡機能に大きく関与する内耳の三半規管・前庭(耳石器)の機能検査を行います。
重心動揺計は、身体のふらつきやめまいなど平衡機能障害のスクリーニング(中枢性か末梢内耳性かの鑑別)や経過観察に有用です。