アレルギー性鼻炎は、その原因によって大きく2つに分けられます。花粉や黄砂の飛ぶ季節に関係する季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)と季節に関係しない通年性アレルギー性鼻炎です。
花粉症には、花粉の種類によってスギ花粉症、イネ科花粉症、キク科花粉症があります。通年性アレルギー性鼻炎の原因は大部分がダニですが、カビや犬猫のフケの場合もあります。
診断には、問診特に詳細な家族歴の聴取と診察(鼻内所見)と検査(アレルゲンテスト)が必要です、原因を調べるアレルゲンテストには、採血する方法と採血しないで血液を採取する方法の2つがあります。前者は学童(小学生)以上、後者は幼児に行います。
この検査は原因が何かを知ると同時にその凡その重症度を知る為に必要です。
この検査結果が全て陰性すなわち原因が不明でアレルギー性鼻炎様の症状・所見がある場合には、血管運動性鼻炎かもしれません。
治療には、ある特定の原因物質(アレルゲン)に対してアレルギー反応を引き起こす体質を変える根本的治療とくしゃみ・鼻みず・鼻づまりの症状を改善させる対症療法の2つがあります。
対症療法には、更に薬物治療と手術的治療の2つがあります。
どの治療を選択するかは、鼻内所見・検査結果・重症度・年齢・患者さんや家族の希望によって大きく異なります。
当院では上記の全ての治療に対応できます。一般的には、くしゃみ・鼻みずがひどいタイプにはまず薬物治療を、鼻閉がひどく薬物治療があまり有効でない場合には、炭酸ガスレーザー治療や鼻内整形手術(鼻中隔矯正術・下鼻甲介切除手術など)が有効です。
手術は敬遠されがちですが効果は絶大です。
当院では過去30年間に約1200例の玲座―手術を行いました。
気道のアレルギー性疾患は、一つの疾患群(one airway, one disease )とみなされるようになりました。上気道の鼻(や咽頭喉頭)に症状(アレルギー反応)が強く起こった場合をアレルギー性鼻(咽喉頭)炎、下気道の気管・気管支にそれが強く起こった場合を気管支喘息と言いますが、両者は合併する割合がとても高いのです。
気管支喘息の軽症例は当院のみで、重症例は呼吸器内科と連携しながら治療しています。
■舌下免疫療法とは
アレルギー性鼻炎(気管支喘息)の治療には、症状を抑える対症療法と体質を変える根治療法(これをアレルゲン免疫療法と言います)があります。
アレルゲン免疫療法には、これまで皮下注射法(皮下免疫療法)しかありませんでしたが、2016年4月から舌下投与法(舌下免疫療法)が可能になりました。
(初めの2年間は中学生以上という制約がありましたが、2018年4月からは5歳以上でこの治療が受けられるようになりました)
■対象患者さんは
中等症・重症の通年性(ダニ)アレルギー性鼻炎・スギ花粉症
5歳以上
■通院について
開始後増量して3週間後、副作用(一)を確認できたら、6ヶ月間は患者さん本人の通院が月に一回必要ですが、 7ヶ月目からは患者さん本人の通院が3ヶ月に一回で 良くなります。
(3年~)5年以上、この治療を続けることが望まれます。
■治療開始時期について
通年性(ダニアレルギー性鼻炎はいつでも開始できますが、スギ花粉症は花粉の飛ぶ2月下旬~4月下旬はこの治療を開始することができません。
■費用について
通常の診察代+処方箋代、(薬代は調剤薬局で)
■治療効果について
100%の体質改善を確約はできません。
(個人差がありますので)